旅行

イエルベ・エル・アグア(メキシコ)~オアハカ一日ツアー前半~

私は、長年花粉症に悩まされてきて鼻をかみすぎたためか、ちょっとした気圧の変化で耳の調子が悪くなります。だから、飛行機の離着陸時はすごくつらいし、長時間じっと座っている自信がなかったので、近場の海外旅行しか行きませんでした。

でもここ数年で、6時間くらいで行けるところはだいたい網羅してきたので、娘に「一緒にメキシコ行かない?」と言われたときは少し迷いましたが、一大決心をして行くことにしました。成田から約10時間の直行便です。

ところが、娘はフィールドワークの必要があるからと言って先にメキシコへ行ってしまい、メキシコティ集合・オアハカ解散となってしまいました。(当時大学でメキシコについて研究していました)一人で行くのはものすごい緊張感でしたが、行き方をしっかり調べてくれていたので、ほぼ迷わず飛行機に乗ることができました。

余談ですが、大変だったのはむしろ日本での行き帰りで、行きは東京駅から成田へのバス停が見つからず1時間以上さまよってギリギリでバスに走り乗ったこと。帰りは、成田からの列車を間違えて東京まで2時間もかかってしまったことでした。今思い出しても冷や汗が出ます。言葉が通じれば何とかなると思って油断していました。

旅程は、メキシコシティ→カンクン→オアハカですが、今回はオアハカで印象深かった一日ツアーについて書こうと思います。

12人乗りくらいのバンに乗り込んで、①タペテ(織物)の工房→②イエルベエルアグア→③ミトラ遺跡→④メスカルの工房→⑤エルトゥーレを観光するかなりコスパのいいツアーです。大きなバンの一番前に座れたので、町の様子なども走りながら楽しめました。

【タペテ工房】タペテとはタペストリー(織物の壁掛けや絨毯)のことで、糸を紡ぐところから染色、機織りまで実演してくれました。16世紀ヨーロッパ人がこぞってアメリカ大陸を目指したのは、黄金が目当てだったのは有名な話ですが、当時の技術ではどうしてもできなかった深紅の染色ができたのはマヤの人々だけで、その秘密を知ることも目当ての一つだったというのをここで知りました。画像は、染料のもととなるサボテンに付いたカイガラムシをつぶした液を水で溶いたものです。カイガラムシは外側は白いのに中は真っ赤でびっくりします。

【イエルベ・エル・アグア】スペイン語で沸騰した水という意味だそうです。メキシコの土地の多くは石灰岩でできていて、それが何万年もかけて浸食されたところが洞窟やセノーテになり、石灰岩を含んだ水が流れ出したところはこのような滝が固まったような壮大な景観を作りだしたのだそうです。日本語のガイドブックには小さく載っているだけですが、実際行ってみるととにかく圧倒されます。カメラにもちっぽけに収めるのが申し訳ないくらいのすごさです。

頂上の様子もまたすごく、浸食が進んで見たことがないような奇妙な岩の池がたくさんできています。水着を着て大きな岩のくぼみに入り、水ににつかっている準備のいい人もいました。

頂上は結構平らで広いのですが、中央に柵があり小さーい穴が開いていてここから水がぴゅっぴゅっと飛び出しています。数百万年前はここから大量のお湯が滝のように流れ出していたのでしょう。

駐車場はイエルベ・エル・アグアの頂上付近にあり、車を降りるとき40分後に集合とスタッフが言っていました。見下ろすと崖の下までかなりあるので、どうしても下まで行ってみたかった私たちは大急ぎで降りて写真を撮りまた大急ぎで崖を登りました。大変な目に合ってギリギリだと思って帰ると誰もいません。娘はスペイン語わかるのに人の話を聞いていないので、私が聞き間違えた時間を信じたみたいです。

このツアーは英語とスペイン語でスタッフが丁寧に説明してくれるのですが、この日私たち以外は全員メキシコ人でした。集合時間さえちゃんと聞き取れない程度の英語力の私には解説いらないなあと思って、娘に「私の母はスペイン語も英語もわからないから、私が母に訳すからスペイン語だけでいいよ」とスタッフに言ってもらいました。それを聞いたスタッフも他のお客さんたちも大爆笑となり、知っている片言の日本語などで話しかけてくれたりして一気にツアーメンバーが親密な感じに打ち解けました。きっとみんな説明が長すぎるのに飽きてきて、短くなるのが嬉しかったのだと思います。

このツアーの後半はブログ「ミトラ遺跡・エルトゥーレの木」で紹介します。

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