旅行

ベネツィア・ビエンナーレ2019

昨年の今頃は大学生の子どもたちとベネツィア・ビエンナーレに行っていました。(ビエンナーレは2年ごと、トリエンナーレは3年ごとに開かれる芸術などの大きな祭典のことです)この回のテーマは「May You Live In Interesting Times」です。

私は大学の美術科を出たので、ベネツィア・ビエンナーレに興味がありました。いつか行きたいとずっと思っていた願いが叶いました。

メイン会場は大きく二つに分かれていてその一つがアーセナルという昔造船所だったところです。現在は海軍の施設となっているので、通常はここには入れません。

アーセナルだけでも広大な敷地で一日でも見きれないほどの作品があります。画像の作品は、川や海の水にノートを晒して乾かしたものを並べてあり、一辺が10メートルくらいあります。ここでは、世界各国からキューレーターに選ばれた作家の作品を見ることができます。建物自体が何百年も経っているので、作品の非日常性と相まって、自分も作品の中に溶け込んでいくような気がします。

翌日はもう一つの会場ジャルディーニに行きました。昔からある建物を改築したり、新しく建設したりした各国のパビリオンに国の代表作家の作品を展示するシステムです。画像は今回受賞した作家の作品で、いろいろな人形が変な動きをしたり音を出したりします。

日本館では、巨大な風船みたいなソファから、管を通してときどき上にぶら下がったリコーダーに空気が送られて、ピーッとかボーッと音が出る作品が展示されていました。

ジャルディーニも相当広い敷地ですが、年々参加国が増え会場にパビリオンが作り切れなくなったのか、元からなのかはわかりませんが、ベネツィア街中のいろいろな建物が各国のパビリオンになっています。全部見ようと思ったら2週間くらいベネツィアに住まないと無理かもしれません。

こちらは、メイン会場外の金獅子賞を取ったパビリオンです。環境問題をテーマとした15分くらいのオペラ仕立ての作品だそうです。私たちが行ったときは当日の上演は終わっており、敷き詰められた砂の上にビーチパラソルや浮き輪などが置いてあって、奇妙な音楽が流れていました。翌日もう一度この会場へ行って作品を見ようとしましたが、500メートルくらいの壮絶な行列ができていて、多分2時間待っても入れるかどうか分からないだろうと思ったので諦めました。遠くて行きにくい場所にあっても、賞を取った作品はみんな見たいんですね。

その他にもパンフレットには書いてなくて、偶然見つけるかインターネットで調べないと分からないような、運営委員会が直接関わらない協賛の展覧会などがあちこちで開かれています。画像は美術館の中に現代作家のインスタレーションをコラボさせたような展示になっていて、有名な聖セバスティアヌスを描いたルネサンス絵画も新鮮な感じです。

ヤニス・クネリス展が大きな建物一棟丸ごと使って開かれていました。イタリア現代美術の巨匠です。石や鉄板、家具、綿などを燃やしたりしたアルテ・ポーヴェラという美術運動の作品です。

この時はベネツィアのキッチン付きアパートメントに3泊しただけだったので、見られなかったところがたくさんあり2021年のビエンナーレにも絶対行きたいと思ったのですが、延期されて2022年開催予定だそうです。果たして2年後コロナの影響はどうなっているのでしょうか。

余談ですが、町全てが世界遺産のベネツィアでは、泊まったアパートメントも多分数百年前の建築で、大掛かりな修理が簡単にできないみたいです。天井の大きな梁が折れていて、鉄骨で包んで補修してありました。地震があったらこわいなあと思いながらベッドで寝ていました。

 

 

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