子どものいる風景

つつじと秘密基地

日本の気候に合っているからなのか、4月の中旬以降は公共施設や道路沿いのつつじが一斉に花開き始めます。街中が新緑とつつじの白やピンクで明るく輝きます。

我が家のお向かいは市営図書館で、植栽スペースにつつじがたくさん植えられていました。高さ2メートくらいになる大きな球状に刈り込まれていて、白やピンクのつつじの巨大ボールの前で撮った子どもの写真が、アルバムにあります。

子どもたちは体が小さいので、このつつじの根元の隙間からつつじの木の内側や向こう側に入り込むことができました。そういう狭いスペースは大人の目が届かないので、子どもたちの秘密基地になっていました。

「最初にマジックで絵を描いて、その後おやつだから、お皿とお菓子をもっていかなくっちゃ。」などとうちの子たちは、よく目を輝かせて相談していました。おもちゃやおやつなどを秘密基地に持ち込んでは、子どもたちが集まって何やら「ごっこ」遊びをする姿は、世の中にこれ以上楽しいことはないという感じでした。

時々虫や猫の糞などの災難には遭っていましたが、満開のつつじに包まれて芝生の上でお日様を浴びながら遊ぶのは最高だったでしょう。

けれども2年ほど前に、図書館脇の道路拡張のため、すべてのつつじは引っこ抜かれてしまいました。わずかに残ったスペースには再び芝が植えられましたが、周囲から丸見えだし、そこで遊んでいると、きっと大人に注意されるだろうといった場所になってしまったので、図書館に来た子どもたちが遊ぶ姿を見かけなくなりました。

つつじといえば、娘の旦那さんの子どもの頃の思い出で面白い話をききました。二人で子どもの頃つつじの花を摘み取っては、根元に溜まっている甘い蜜を吸っていたという話になりました。旦那さんは甘いものを食べ過ぎて虫歯にならないよう厳しくしつけられていたので、甘いものが欲しくてたまらす、小学校の片隅に咲いていたつつじの花を毎日むさぼるように摘んでは吸っていたそうです。

その姿を想像してみんなで爆笑しましたが、小さな頃の出来事や当時の自分が何を感じていたかは、ひょんなことから思い出すものです。

 

 

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