アート

Ando Gallery と 青リンゴ

31年前、結婚後の新居はマンションでした。その後5年間は家の間取りを考えることが自分の趣味となりました。

当時は、コンクリート打ちっぱなしの壁を生かした建築がブームで、その最先端が安藤忠雄の光の教会建築でした。彼の写真集を見ては、自分だったらこうしたい、ああしたいといろいろ考えを巡らせ、縮尺定規と方眼ノートに理想の家の間取りをかいていました。

一度いいアイディアが浮かぶと、夢中になってコンクリート壁の家をたくさん考えましたが、いざ実際に土地を買って家を建てようとした段階で壁にぶち当たりました。

その壁は資金でした。建築家に設計してもらう資金も、コンクリートで家を建てる資金もなく、住宅展示場でハウスメーカーと契約するほかありませんでした。

その後、安藤忠雄建築の美術館などを訪れる機会が時折ありました。コンクリート打ちっぱなしの建築は、どこに行ってもたくさんありますが、安藤建築の精度の高さは群を抜いています。

壁が作る閉鎖感とその切れ間から生じる開放感は、計算されつくしています。そして、なんといっても、コンクリートの壁そのものの美しさが格別です。

今回訪れた兵庫県立美術館は、神戸市水際広場に隣接する阪神淡路大震災からの復興のシンボルとして構想され、その一角にAndo Galleryのスペースがあります。ここは、港湾を望む広々とした美しい美術館です。そして、安藤忠雄の「挑戦心に溢れた青いままでありたい」という思いを表した青リンゴが、外部からも見えるファサード空間に設置されて、青い空に映えています。    

また、この美術館の特色の一つとなった、円形のスロープ階段もとても美しく、訪れる人々は、階段の底辺中心部でポーズをとったりして、建築を楽しんでいまsita。

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