子どものいる風景

家庭でできる3歳までに身につけさせたい運動能力 ~最も大切な3つのこと~

私は、教育大学を卒業した後、中学校の教師になりました。

大学では、小学校や幼稚園教師の免許も取得しましたし、自分が採用された県では小中どちらへの転勤もあったのですが、何故か19年間中学校ばかりの勤務でした。

そして、自分の1番下の子供が小学校の高学年に成長してから、初めて小学校勤務となりました。

小学校と中学校の違いに驚きましたが、その4年後にようやく小学校の低学年を担任して、更にびっくりしました。

学校生活の何から何まで、細かく目を配り、手をかけてあげないといけないからです。

その時、小学校低学年でさえこんなに手がかかるのだから、幼稚園の教師はさぞかし大変だろうと思いました。

また、自分の子供が小さい時に小学校の教師を経験していれば、もっと家庭でみてやらねばならないことのポイントや大切さが分かっただろうに、我が子はもう手遅れだなあと残念に思いました。

今、3歳になる孫とは同居していませんが、子守りをしたり、一緒に遊びに連れていったりすることはしばしばあります。

孫と公園へ遊びに行ったりした時は、ふと自分が小学校低学年の教師だった頃のことを思い出して、あの頃学んだことは3歳の子どもにも応用できることがたくさんあるなと感じています。

例えば、前回のブログにも書いたことですが、子どもが遊びたいのにうまく体が動かせなくて戸惑っている時、何がネックなのかを見つけて、「この手でここをつかんで。」などと具体的な支援をして成功体験をすると、やる気を失わずにどんどん色々な遊びにチャレンジしていけるようになったりします。

そうやって、昔の経験を活かしながら孫と遊んでいるうちに、小学校に入る年までに身に付けさせたいことは結構あるけれど、幼稚園では学びきれないこともあるし、その前段階の3歳までに経験させたり身に付けさせたいこともあるなあ、それが出来ていると幼稚園でも友達との活動の中で自然と身に着くこともたくさんあるはずだろう、と思うようになりました。

これは、決して他の子どもよりも優れた能力を身に付けさせたいとか、英才教育をしたいという事ではありません。普通の子どもが普通に成長していく中で、必ずつまづくポイントがあるけれど、この成長段階ではこれが大切という事を保護者が分かっていれば、「今は、手を出さず見守ってやるべきポイント。」「今は、少し支援してやれば、この子の世界が一つ広がるポイント。」という判断ができるということです。

現代のお父さん、お母さんたちは、こなさねばならないことに追われ毎日忙しい日々を送っていて、子どもとじっくり関われる時間を生み出すのは、案外難しいものです。ましてや、夫婦共働きで子どもも小さいときから保育園という場合は、毎日帰宅してから子どもが就寝するまでの3,4時間の内に家事育児をするというあわただしさです。

そんな中で、3歳までにやっておきたいことのために、時間を作りだすのは無理なことです。ですから、帰宅後の生活の中で必ず活動する場である、お風呂の中とお布団の上でやれる動きと連動させて身に付けさせたい運動能力を、三点に絞って書いてみたいと思います。

一つ目は、運動能力以前の問題ともいえますが、安全確認です。保護者はもちろんですが、子どもも自分で安全を確保する力が身に着くようにさせたいと思っています。そうでなければ、どんなに簡単な活動でも危険につながります。当たり前すぎてがっかりするかもしれませんが、私はこれが一番大切だと思っています。どんな安全確認なのかを理解してもらいたいので、二つ目、三つ目で具体的に書きます。

二つ目に身に付けさせたい運動能力は、これも運動とは言えないくらいのレベルですが、3歳までに水の中で浮いたり潜れたりできるようになることです。これは、毎日のお風呂の中で、シャワーのお湯を頭からかけたり、湯船の中で顔を付けたりしながら、最終的にはうつぶせで体の力を抜いて浮くことです。3歳くらいなら、狭いお風呂でも足まで伸ばせます。詳しくは次回のブログで書こうと思います。

安全については、まず温度確認です。子どもがつかまり立ちができるようになったら、お風呂の外の縁に立たせてから、片手を手首までお湯に入れて熱すぎないかを確かめます。手のひらは皮が厚いので、手首まで入れればそこで温度がわかるでしょう。毎日親子で行えば、言わなくても習慣が身に付きます。また、もう一つの安全確認は溺れないように一瞬でも目を離さないことです。そのために、滑り止めマットを敷いたり、一人で入るためのステップ台を設置するなど各家庭のお風呂の状況に応じて準備します。

ステップ台に関しては、浴槽の外側は低めのお風呂椅子で十分ですが、内側は深いので一人で入ることが難しくなります。少し高めのお風呂椅子をもう一つ用意して、お風呂に沈めて保護者が抑えている間に子どもが浴槽に足を入れるという方法も考えられます。ただ、これは保護者がいないとできないので、お風呂に沈められる素材で清潔なお風呂椅子があるといいなあと思っています。自分の子どもたちがスイミングスクールに通っていたころ、小さい子用のプールの中に沈められる台があったのですが、家庭用は見たととがありません。また手狭なお風呂の場合、お風呂椅子二つを準備するのはなかなか難しいことかもしれません。いずれにしても、保護者が完全に一人でも安全に浴槽に入れると判断できるようになるまで(3歳では無理な場合が多いと思います)は、絶対に一人で入ってはいけないと言い聞かせておいた方がいいでしょう。神経質すぎると感じるかもしれませんが、お風呂が家庭の中で最も危険な場所の一つでもあるし、毎日のことなので慣れたときの油断が最も怖いものです。

三つ目の運動能力は、三半規管を鍛えることです。鍛えるという言葉が適切かどうかは微妙ですが、夜寝る前にお布団の上で、ゴロンゴロンと転がったりして、三歳までに前転ができるようになることです。これも、水浮き実践編の次に具体的に書こうと思います。

安全については、布団の上や周辺にぶつかると痛いようなものがないかを確認する必要があります。昔我が家では、6畳間全体にびっしりと布団を敷き詰めて5人で寝ていました。子どもたちは毎日ゴロゴロと転がって遊び、いつの間にか前転ができるようになっていました。けれども、安全確認の習慣をしつけていなかったので、たまたま開いていたタンスの引き出しの角で娘が頭を打って怪我をしてしまいました。

ですから、親子で一列になってハイハイをしながら布団の周囲をぐるりと一回りして場所づくりをすることをお勧めします。かけ布団や枕はプロテクター代わりになるよう周囲に寄せながら、「右側よーし!」などと電車の車掌さんの様に指さし確認しながらやると、子どもも遊びながら楽しくできます。(ベッドの場合や子ども布団が小さすぎる場合は、専用に折り畳みマットなどを準備して床でやった方が落下の危険がないでしょう)

もう一つの安全は首を守ることです。子どもの体はとても柔軟ですが、安全な動き方が身についていないととても危険です。この確認方法は少し複雑なので、次回前転の動き説明と同時に行います。

この回では、ほとんど安全についてしか書いてありませんが、どんな活動にも危険が潜んでいるので、それを防ぐのは保護者の注意力と準備、そして子どもが一人でもできる安全確認の習慣化が一番という事が言えます。

そして、忙しい毎日の中でのことですから、一日おきに今日はお風呂遊び、次の日はお布団遊びというように、3分でいいので続ける習慣をもつといいでしょう。どちらも生後すぐからできることがあり、徐々にステップアップして3年かければきっとできるようになります。でも、今3歳だから間に合わないかというと、全くそうではありません。半年後、一年後をめどにして、6,7歳までに身に付けられれば十分な内容を、自然に無理なく行っていこうとしているだけなのです。

 

 

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