刈谷市で開催されている野口哲哉展を見てきました。超リアルな人形にこれまた本物の素材そっくりに作られた鎧兜を身につけているのに、どこか現代につながるようなテイストが織り交ぜられていて、侍がショッピングバッグを持って買い物をしていたりします。
人形の表情は、どこにでもいるようなおっさんの顔ですが、魂が入りすぎて魂が抜けてしまったような、呆然とした顔つきをしています。
作者の解説を読むと、人間の皮膚の進化の一つとして、人間の表層の鎧兜がいろいろな様態を示しているというような感じらしいです。だから、頭の上の兜がリアルなウサギの耳になっていたりしました。
どの人形の表情を見ても何か共感するものがあり、現代人が常に感じている疲弊感を鎧兜で表現しているような気がします。