2年前から着付けを習い始め、下手なりにようやく自分で着物が着つけられるようになってきました。
そうなると、まだ実家に眠っている振袖や、若い頃着た着物だけど今着るには若向きすぎるような着物も生かしたいものだなあと思い始めます。
そこでちょうど、この3月に末の娘が大学を卒業するので、自分で着つけてあげたいなあという気持ちがムラムラと湧いてきました。もともと、娘の大学は文系と理系が分かれたキャンパスなので、入学式はかなり遠方の文系キャンパス寄りの会場でした。だから、卒業式もそうだろうから、着つけてあげようにも遠すぎて駄目だなと思っていたのが、なぜか別々の会場で行われることになったのです。
だから娘の下宿で着付ければ、開場にも無理なく行けるのです。同い年の姪っ子は文系の短大だったので、大半が女子学生です。その姪っ子の2年前の卒業式は事前に業者に申し込んでおくと、卒業式会場にレンタル着物を一式持った業者が会場の一室を借り切って、次から次へとヘアセットと着付けをしてくれて、式が終わるとその部屋へ戻って脱いで終了という便利さでした。
いろいろな面倒さを考えると「袴着るのやめようかな。」などと娘も言っていましたが、私が着つけてあげるよと言うと、やはり女の子なので一生に一度の袴を着てみたくなったようです。
そういったいきさつで、私は約半年前から卒業式用の着付けの練習や準備をしてきたのですが、これがなかなか大変でした。約3回の袴着付けのお稽古と、動画を見ながらの自宅練習でなんとか形は整えることができるようになってきました。
ところがその先に更なる難関が待ち構えていました。ヘアセットをどうするかという事です。私は、自分のヘアスタイリングでさえセットするのが昔から大の苦手でした。
娘は、袴姿に似合うハーフアップという後ろ半分の髪を降ろしたスタイリングがしたいというので、ユーチューブを見てチャレンジしてみました。結果は悲惨なもので、とても外に出て人目にさらせる出来栄えではありません。
そこで息子の彼女などにも頼んで、何回も練習してみました。そして先日、以前からつまみ細工を作っている友達に、髪飾りを頼んであったものが仕上がってきました。ちょうど娘の下宿を訪れる機会があったので、飾りを持って練習の成果を試しに行ってきました。
娘は「それほどこだわりはない。」と言いながらも、今年は水引とプリザーブドフラワーなどを組み合わせたものがいいというので、それらを組み合わせた髪飾りを付けてスタイリングしてみました。
でも、なかなか娘からの合格はもらえません。ヘアを3回ほどやり直した挙句、もう少しこれとあの髪飾りを増やしてほしいなどとリクエストが複雑になってきます。友達に再度追加注文をして、その後も何度も何度も練習を重ねてようやく娘の合格点をもらえるようになりました。
卒業式当日は友達からの評判も良く、自分の苦手克服にも役立ったので、この半年間の努力は無駄ではなかったなと自己満足しています。