きもので手抜き生活

着付けコンテスト2022

着付けの先生のお宅を訪れると、練習室の棚の上にたくさんの写真が飾ってあります。先生が着付けコンテストに出場して賞を取った時の写真や、娘さんのあでやかな振袖姿の写真などです。これを見ると、若いときから着付けに精進してきた先生の努力や実力がよくわかります。

そんな写真をお稽古の度に何となく眺めていましたが、近々年に一回開かれる着付けのコンテストがあると聞いて、なんだかコンテストって何を競うのか、どんな雰囲気なのか見てみたくなりました。ちょうどこの教室からも3名の方が出場するというので、応援がてら見に行ってきました。

今回の会場は一宮で、文化会館のような大きな施設の舞台の上で行われます。舞台の上には赤い毛氈が三列に敷かれています。コンテストの内容は3つのカテゴリーに分かれていて、初級レベルの名古屋帯を結ぶ自装と礼装で二十太鼓を結ぶ自装、そして振袖モデルさんを使って着付けを行う他装です。

どのカテゴリーも襦袢を着た後の状態から、15分の制限時間内に美しく着付けをして、それを審査員の先生が点数をつける形です。初級レベルだと、私ぐらいの初心者の人でも猛特訓をして、出場する人もいるそうです。今、自分が着付けをするとかなり適当にやっても30分、おかしなところを直しながらだと50分くらいかかってしまいます。しかも鏡を全く見ずに手探りだけで、背中心を整えたり曲がったところを直さなければいけないので大変です。

「ようい、スタート!」という合図とともに着付けが始まります。軽快な音楽が流れてはいますが、舞台の上でスポットライトを浴び、ライバルに囲まれて自分の実力を出すのはかなりの緊張感でしょう。「あと3分です。」という声の中、着付け終えて全体を整えている人、まだ必死で帯締めを結んでいる人などいろいろです。それでも終了の合図の段階で、ぜんぜん着付け終わっていない人は一人もいませんでした。立派なものです。

先生がおっしゃっていましたが、自分の生徒さんでコンテストに出るとなると「自分は鬼にならざるを得ない」「自分のことが大嫌いになるだろうけど仕方ない」とう状況なのだそうです。それくらい厳しくないと、このコンクールに出場させた先生の方が後で「どうしてあんなレベルの人を出場させたのか。」と責められてしまうので、責任があるのでしょう。

自分はとてもこんなコンテストに出る気にはなれませんが、あと1年くらいで15分以内で着られるようにはなりたいなあと思い、いい勉強をさせてもらいました。

振袖の他装は、すでに先生として活動している方が出場するものでした。さすがに振袖の帯結びを15分以内で完成させるのはそれくらいのレベルでないとできないのでしょう。スタートから、手つきや動きなど無駄なくてきぱきしています。

審査の基準は、着付けだけでなく、ヘア・メイク・コーディネートなど総合的に判断されるそうで、モデルさんたちも皆美しくスラリとしています。これはやはりモデル探しからが大変だろうなという感じでした。

時間の都合で結果発表までは会場にいられませんでしたが、緊張感とワクワク感を抱きながら会場を後にしました。先生の生徒さんたちは、どなたも美しく素敵な着付けができていましたが、賞を獲得することはできなかったそうです。また今度どんな人が受賞したのか、ポイントを教えてもらおうと思います。

それにしても、過去に先生は全国大会まで出場していて、獲得した数々の賞やトロフィーを思うと、すごいことだなあと尊敬してしまいます。

 

 

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