実家の母はマサコという名前です。令和時代の皇后雅子さまと同じ名前なので、30数年前ご成婚されたときは「私はマサコさまなのよ~」と自分も高貴な身分になったような気分を楽しんでいました。
自分と同世代の人でも「子」がつく名前の人は半分くらいでした。ただ60年ほど前の昭和時代の皇后美智子さまがご成婚のときは、あやかり名として子供に同じ名前を付ける人が増えたそうで、自分のクラスにも一人美智子さんがいました。
今は、30歳くらいの人で雅子さんという人はあまり聞きませんし、〇〇子さんという子のつく名前はあえて古風なイメージを狙っている人なのかなと思うほど減っているのではないでしょうか。
母も27歳で結婚してからは自分を名前で呼ばれることはほとんどなかったと思います。奥さんからママへそしておばあちゃんと呼ばれるようになってから28年になり、マサコさんと呼ばれるより長くなってしまいました。
ところが、4年前からデイサービスを利用するようになり、迎えに来てくれる若くてイケメンの職員Iさんが「マサコさんおはよう!迎えに来たよ~。」と明るく爽やかに名前を呼んでくれるようになりました。デイサービスに行っている間だけはマサコさんと呼ばれて生き生きとしているようです。名前で呼ばれると、母や祖母といった役割を捨てて、本来の自分に戻ったような気分になれるのではないでしょうか。