アート

ライブラリー リエバナ ~中世スペイン写本と古書の店~

VITS豊田タウンにあるライブラリーリエバナに行ってきました。以前友達が名古屋からわざわざ中世の聖書の古書を見に行くと聞いて、面白そうだなと思っていました。ちょうど豊田に行く用事があったので、寄ってみたのです。

小さな小さな店内には、40㎝×30㎝前後で厚さ7,8㎝くらいの大きな大きな本が、ずらりと開かれて並んでいます。お店のご主人が「お好きなページをめくって見ていいですよ。」とおっしゃるのでびっくりしましたが、並んでいる本はみなファクシミリ版といって、本物とそっくりに作られたレプリカなのだそうです。それでも、一応手をウェットティッシュで拭いてきれいにしてから、いろいろと見させてもらいました。(本物の古書もあるそうで、前もってお願いすれば見せていただけるそうです)

お店の名前にもなっているリエバナとは、スペインの地方名のことです。8世紀頃このリエバナの修道士だったベアトゥスという人が、キリスト教の正統信仰を守ろうとして本を著したそうです。

この店に展示されているベアトゥス黙示録註解書写本は、8世紀にスペインのイベリア半島で編纂され、現在消失してしまった「ヨハネ黙示録」の原本を写した写本群の総称です。お店でもらったパンフレットを読んでも、この写本を作ったのがベアトゥスなのか、違うのかよくわかりません。

ともかく、まずこれらの本を触ってみると、厚くて硬くヨレヨレした古色蒼然たる表紙や羊皮紙に圧倒されます。店内には修道僧の歌うグレゴリオ聖歌が流れているので、余計に「ありがたや。」という厳かな気分になります。更に全く読めそうにないラテン語がずらずらと綴られていくページの中に、色鮮やかで装飾的な挿絵が表れて目を惹きつけます。

挿絵をよく見ると、ドラゴンや見たこともない恐ろしげな怪物に、人が腕を引きちぎられている場面などがあり、結構グロテスクです。本の始まりのページにキリスト教の原点となっている唯一絶対の神が、最初に創り出したアダムとイブの名や絵が、まず書かれているものがあります。そのアダムとイブの後、線でつながれてずらずらとその子孫たちの名前がいくつも書かれた系図が何ページか続き、端末にイエス・キリストの名が書かれていることが面白いなと思いました。

初め「へえ、キリストはアダムとイブの子孫だったのか。」と思いましたが、よく考えたらすべての人類はアダムとイブの子孫だという考えなので、当たり前だなと苦笑しました。どうやら、異端説にキリストは神の実子ではなく養子だという説があって、ベアトゥスはそれに反論しようとしたので、この系列の本は皆この系図が最初によく書かれるのだろうと思いました。

あまり、深く考えても分からないことだらけですが、中世だったら崇高な身分のお坊さんしか読むことのできなかった貴重な本を、こうして手に取って楽しむことができる世の中にいる自分は幸せだなと思いました。

展示されている本の中には、挿絵が全て切り取られた状態をそのまま再現した本もあったり、全く絵のない本もありました。「こういう絵のない本は全然面白くないですね。」などとお店の方に失礼なことを言ったりしましたが、中世なら火あぶりの刑ですね。思ったことを自由に言える世界にいることも、また幸せです。

お店では、本物の羊皮紙の切れ端を頂きました。白いけれどごく薄く黄ばんだ、両面指滑りのいいプラ板のような用紙です。よーく見ると片面には、ヤギの毛穴らしきポツポツした穴があります。

4月にはビルの中庭を使って、もっと広いスペースでの展示があるそうなので、また来てみたいなと思っています。

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