手抜き生活

根無し草の一か月半

約一か月半前娘が出産するというので、手伝いのために東京に来ました。本当なら二週間前に自宅へ戻っているはずでしたが、上の子が病気で入院する事態となってしまいました。入院の間と、退院後の弱った体を見てあげたいという事情で、思いがけず長い滞在となりました。

初めから一か月は滞在する予定だったので、日中は自分の好きなことをしようと思っていました。自転車で面白そうな場所をあちらこちらと回ったりした時期もありましたが、日増しに暑くなり買い物以外に外出して楽しもうという気にもなれなくなってきました。

もう一つ、子守をしながらやろうと思っていたことは着物の着付けです。自分で着物を着つけて出かける楽しさを味わって以来、さっと準備できるようになりたいと思い、可能な限り毎日着付けを練習するようになりました。

ところが慌ててこちらにやって来たので、いざ着物を着つけてみると、紐が足りなかったりしてまともに着つけられません。ただでさえ下手なのに、用具がなければ時間がかかるだけで着付けなどできません。それならばと、娘がいらなくなったTシャツを細長く切って、紐を作ってみると、よく伸び縮みして使いやすいのです。

しばらくの間こちらにいるのだから、いろいろな着付け方をチャレンジしてみたくなり、メルカリで格安の夏着物を購入してみました。ただ、着付け小物などは結構割高なので、手作りしてみようと近くの手芸店を覗きに行きました。

娘は小さな手芸セットすら持っていないので、まずは手芸セットと白・黒・グレーの手縫い糸を買いました。最初に作ったのが、うそつき衿に付ける取り換え用の半衿です。夏用のポリエステルの着物は少し安っぽい感じになるので、無理に高そうに見せるよりカジュアルな感じにしようと思って、綿布のグレーの太いボーダーと紺地に小さな水玉模様の生地を10センチも買って、縁をかがれば出来上がりです。

次は、セールになっていた白のレース布を筒形に縫って、うそつき袖を作りました。着物用下着の袖に安全ピンで付ければ、じゅばんなしで涼しく着つけることができます。

更に、娘が捨てようとしていた古いレースカーテンを使って、うそつき袖を作ってみたりと、思いつく限りチクチクと手縫いをしてみました。

自分の家にいると、他にやらねばならないことがいっぱいあって、手縫いで作るならまとめてミシンでダーッとやってしまおうと横着な心が邪魔して「いつかやろう」という段階から進めません。

今のこの根無し草の様に、ご飯づくり、食品の買出し、孫の送り迎え以外はやることがないのはいいことだなあと思います。あれもやれる、これもやれるという状況は結局何もやれないのです。

根無し草の一か月半は、買った着物が大きすぎたり、小さすぎたりしても、下手なりにある程度着つけられるようになったこと、便利な着付け小物を揃えることができたことの二つが、この期間に得られたことです。

 

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