ガーデニング

庭師さんが自分の家に植えたくない木とは?

私が学生だった頃、京都祇園に何必館という美術館ができて、美術に興味を持つ人たちの間で話題になりました。私もどうしても見たくなり訪れたのですが、洗練された建築が印象に残りました。

館内に中庭があり、円形に開けられた天井から差し込む太陽光が、一本だけ植えられたもみじを照らしていました。芽吹いたばかりのもみじの葉は、葉のみどりを透かして本当に美しく、地面で揺れる木漏れ日の影も、何とも言えず日本らしい美意識を感じさせてくれました。

この時から、いつか自分が家を建てて庭を持ったなら、もみじを植えようを決めていました。そして、その通り23年前に家を建てたときに中庭の中央にヤマモミジを植えました。当時は自分よりも低い高さでしたが、今では2回のベランダから枝を選定しなければいけないくらいに育ちました。今ちょうど新葉が出そろい、太陽の光を透かして見せてくれています。

数か月前、娘に「庭師さんが自分の庭に一番植えたくない木って知ってる?」と聞かれました。もしかしたらと思いましたが、やはりもみじでした。

もみじは春は新緑、秋は紅葉が美しく、わざわざ紅葉狩りに出かけるくらい日本人に愛されている木です。でも、4月に葉っぱが出そろった後が問題です、それから間もなくごく小さな花が咲き種がついてきたと思うと、一斉に細かい樹脂を振りまいて、2週間くらいの間庭中がベタベタになるのです。

その後種がいっぱい落ちるし、晩秋の落ち葉の処理も大変です。大きな庭園ならば問題はありませんが、庭師さんが厄介に思うのも無理はありません。

それでも、真夏の暑い日差しから家を守り、見上げればいつも美しい木漏れ日があり、葉を落とした冬には暖かい日差しを家の中まで届けてくれるので、我が家にとっては大切なシンボルツリーです。

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