アート

何必館のもみじ

京都旅行で友達のMさんが行きたかったのが、京都現代美術館の何必館(かひつかん)のペンティ・サマラッティ写真展です。

サマラッティの写真は全てモノクロームです。そして、世界中の国を訪れて写真を撮っているのですが、何となく暗く重い感じがするのは、彼が北欧のフィンランド出身だからという事と多少は関係するのではないかと思います。

私が一番面白いと思った写真は、ソ連崩壊前のどこかの工事現場のような場所の通路を通る人々を撮った写真です。そこは金属版で覆われた壁がずっと続いていて、人物の背景は全てその金属板が映っています。そして、写真を撮っていることに気づかれないようにシャッターを押しています。当時の人々の何気ない一場面を、とても不自然な背景とともに写した写真は、ソ連時代の抑圧された空気感を感じさせます。

ここは美術館とありますが、祇園のにぎやかなアーケードの中にある、とても細長い石造りの建物の中にあるので、ぼんやり歩いているとうっかり通り越してしまいます。5階の一部の屋根は吹き抜けになっていて、和庭園のようにもみじが一本だけ植えられた美しい空間です。

’21年の4月20日のブログにも書きましたが、ここは我が家の庭に植えたもみじの原点になっている場所です。ここに来る度に、数十年前の自分や数年前の自分を思い起こすことができる不思議な空間です。

 

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