手抜き生活

低山登りその6 ~桑名市の多度山(402m)に登り、多度大社へお参り~

伊勢湾岸道路の湾岸桑名ICを降りて少し行くと、山のふもと付近に巨大な白い鳥居が見えてきます。江戸時代に伊勢参りが盛んになると、その途中にある多度大社にも、お参りに行く人が増えてとても栄えたそうです。

大きな鳥居をくぐり、多度大社の駐車場から少し山の中を入っていくと愛宕神社があります。登山する人たちはここに車を止めて、山に入っていきます。

山道に入っていくと左右を立派な杉の木の並木に囲まれた階段を登って行くことになります。入り口に看板が出ていて、先週はトレイルランの大会が開かれたようです。大会が開かれるだけあって、立て札や山道はとても整備されています。

ずっと杉並木を上がっていくと、一合目と書かれた石が置いてありました。〇合目という表示のある山に登ったのは、これが初めてです。

ちなみに山の〇合目というのは、どういう基準なのかちょっと調べてみました。山麓から頂上までの道のりの大変さを、十に区分したおよその目安らしいので、10合目まで行けば頂上という事のようです。難易度で10区分していて、山の上に行くほど難易度が上がっていくことが多いので、5合目は半分より上ぐらいの距離の所が多いそうです。

また、お米や油の単位は合で表しますが、昔は夜明けに合わせて登山するときに、カンテラに灯りを灯して登るので、その時に一合目までかかる油の量が一合だったということだそうです。本当かどうかよくわかりませんが、普段何気なく使っている言葉にも、いろいろないわれがあるものだと感心します。

ともかく、〇合目という印があると、何となくペースづくりの目安になって、5合目まで行ったらお茶を飲もうなどと考えることができて便利な気がします。

5合目まで来ると、見晴らしのいい場所があって、街を見下ろすと木曽三川がゆったりと流れているのが見えます。三川をはさんだ愛知県側は、濃尾平野が広がっていて川を見下ろす場所が木曽三川公園にあるタワーしかないため、愛知県側から3つの川を一度に眺めることはほとんどありません。

ひょっとしたら犬山城からは見えるかもしれません。今度行く予定なので、確かめてきたいと思います。

一方、岐阜や三重からは近くに山があるので、そこに登れば川が良く見えます。今まで何となく橋を渡っていて、三川のどれがどれなのかが良く分かっていませんでしたが、地図を見て調べてみると一番愛知県側が木曽川、真中が長良川、そして揖斐川らしいです。

多度山からみると、桑名のあたりはちょうど長良川と揖斐川がくっついたり離れたりしています。この日はもやっていたのでわかりませんでしたが、濃尾平野の向こうの方には、名古屋駅周辺のビル群が見えるようです。昔の人は、地図を作るのにも、きっと山を登って地形を上から確かめたのだろうと思いました。

以前杉本苑子著の「孤愁の岸」という長編小説を読んだことがあります。幕末の頃、薩摩藩が幕府から木曽川の治水を命じられ、当時の薩摩藩家老の平田靭負(ゆきえ)が、苦難を乗り越えながら、すばらしいリーダーシップを発揮して治水事業を進めていくという話でした。大事業を成し遂げた人は、何が他の人と違うのかという面でとても勉強になるし、感動できる物語でした。

人力と馬力くらいでしか、土木作業ができなかった江戸時代に、あんなに大きな川の治水を行うのは、大変なことだったろうと、山の上から見ていても感じます。

5合目から上は、杉並木がなくなり普通の登山道のようになってきます。そうなると足元をずっと見ながら登らないと危ないので、ついつい何合目なのかを見落としてしまい、気づくと8合目になっていました。大分登って来たのに、まだ7合目にさえたどり着いていないのかなと思っていたので、この後はとても気楽に登れました。

頂上付近には登山道ルートの地図が載っていましたが、自分たちが登ったルートは、「健脚コース」でした。それほどきついと感じず楽しい登山ができました。

頂上にも神社があり、三本杉がご神木となっていました。展望台もあり、結構たくさんの人たちが休憩していました。中には、赤ちゃんを連れた家族もいます。話しかけると、赤ちゃんは十か月で、子どもを背負う専用のリュックで登ってきていました。お父さんが背負って登って来たのかと聞くと、「いいえ、私です。私は昔から登山をやっていたので。」とお母さんが言うのでびっくりしました。どのルートで登ってきたとしても、相当タフでないと402メートルの高さまで登ってこられるものではありません。それほどがっしりした体型の方ではなかったけれど、大したものです。

お金がかからず、自然に触れ合いながら楽しめる趣味を、家族で共有できることはいいなあと思いました。

下山のルートは、自転車も登ってこられる舗装道で、山をジグザクに降りるので緩やかですが、健脚コースの3倍の距離があります。こちらは、気軽にハイキングを楽しむ子づれのグループや、本当に自転車をこぎながら登ってくる人もいてにぎやかです。

残念だったのは、今まで使ってきたトレッキングシューズが下山途中で壊れてしまったことです。靴ひもがダイヤル式で、簡単に締めたり緩めたりができてすごく便利だったのですが、突然ダイヤルを閉めても紐が締まらなくなってしまったのです。

ゴルフシューズもダイヤル式でとてもよかったので、トレッキングシューズもと思ってこのタイプにしたのですが、山道ではハードな動きをするので、壊れやすいのかなとショックでした。平地で散歩したりするのには、まだ使えそうですが、靴底がすり減る前に壊れてしまうとは思いもよりませんでした。登り途中ではなく下りだったのは不幸中の幸いで、普通に歩くような感覚で下山できました。

下山後は多度大社にお参りして、近くのカフェ「グランヒル」でランチを頂きました。ここは、花屋さんも兼ねていて、おしゃれだしデザートートにワッフルが付くランチが好評のようで、賑わっていました。

店の窓からは、多度山の頂上が見えて、「あの山に登って来たんだ。頑張った自分にご褒美だ。」と言う感じで、余計美味しく感じられます。今度は、登山後このお店に行きたいから、この山に登ろうという逆発想もいい選択方法だなあと楽しみが倍増です。

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