ガーデニング

ユーカリの木

私の実家は海沿いの小さな町にありましたが、自分が小学校低学年の頃、海沿いに広大な埋め立て地ができ工業地域になりました。その工業地域と各都市をつなぐ産業道路が整備されたとき、防音や防塵などを兼ねた林道と遊歩道もできました。

早く大きく育つからなのか理由はよくわかりませんが、その林道には夾竹桃や桜などとともにユーカリの木が道に沿って植えられました。20年ほどで10メートル以上の巨木の林道ができ、自分の家の2階の窓から風にそよぐ葉っぱがよく見えました。

ユーカリの木は道路開通記念に市民にも苗が配られ、我が家の庭にも、オーストラリア原産の見たことのない姿の木が植えられました。当時日本に初めてコアラが動物園に登場したり、お菓子のコアラのマーチがヒットしたりした時期でもあったので、ユーカリの葉っぱしか食べないこのかわいい動物のことを想像しながら、スーッとしたいい香りのする細長い葉っぱを揺らすユーカリを眺めていました。

ある年の秋、大型の強力な台風が直撃した時に、林道のユーカリの木はほとんどなぎ倒されてしまいました。背が高いわりに根は弱かったのかもしれません。その後、倒木を撤去する作業は大変そうで、林道に再びユーカリの木が植えられることはありませんでした。我が家の庭のユーカリも家の改築とともに切り倒されました。今はもう身近なところでは見かけなくなったユーカリの大木ですが、幹が太くて白っぽく不格好、その先端からヒョロヒョロとした枝と細長い葉がぶら下がった景観は独特の雰囲気だったので、時折見かけると、とても懐かしく感じます。

先日娘がワイルドフラワーの花束をプレゼントしてくれました。メインの花を引きたてる細長く美しい緑のユーカリの葉は、ドライリーフにしてもいい香りを放っていました。これを機に、我が家でもユーカリのドライができるといいなと思って園芸店で小さな苗を買いました。娘は葉っぱの形が丸く大きいものからだんだん小さくなっていくタイプ。私も、丸いけれどどれも割と大きくて内輪みたいにぺらぺらしたタイプを選びました。

ドライフラワーにして楽しむには数年かかりそうですが、時間をかけて育てていくガーデニングもいいなと思えるようになってきました。

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