手抜き生活

取説を読む力

2、3年前に折りたたみ式の小さなキーボードを購入しました。

キーボードを広げると、両手を使って票準サイズと殆んど変わらないタッチタイピングができます。スマホをモニター替わりに使って組み合わせれば、薄手のノートパソコンよりもさらに軽量化ができます。

以前は出先で、文章を入力する作業がしたい時などに持ち歩いていました。けれども、ちょっとしたきっかけでしばらく使わない日が続くと、あっという間に接続の仕方を忘れてしまいました。

一旦忘れると、もう再び取扱説明書を取り出して読み込むことが面倒になり、その内息子の暇そうな時にやり方を聞こうと思っているうちにすっかりお蔵入りしてしまっていました。

一方5年前から始めたブログも、どんなありふれた出来事でも、とにかく毎日書こうという気持ちで続けるうちに500回目を超えました。けれども、こちらもちょっとした家庭の事情であまりブログを描く時間が確保できなくなると、たちまち1週間に一度、2週間に一度と間が開くようになってしまいました。

たまにしか書けなくなってしまったブログでも続けなければという気持ちはあるので、東京の娘から孫の子守りの要請があるたびに、ノートパソコンをトランクに詰めて持っていき、少しでも時間ができた時にブログを書こうとしました。

けれども、子守りや家事に追われて、というよりもパソコンを開いてブログを書くよりもネットサーフィンの方が気軽に時間潰しができるので、4、5日の滞在中に一つのブログも書けずに帰宅することが多くなりました。家に帰ってからも、溜まった家事やガーデニングに追われて、これまたブログから遠ざかってしまいます。

「やらなきゃいけないのは分かっているんだけど、やる気が起きない。」と思っていて、ハッとこれは老後鬱の初期症状につながるということが何処かの本に書いてあったことを思い出しました。斎藤一人さんの本のどこかに「楽しいから笑うんじゃない。笑っているうちに楽しくなってくるんだ。」という言葉がありました。

「書きたいから書くんじゃない。書き続けるから書けるんだ。」です。自分の心の中のエネルギーが減ってくると、時間がない、やる気がしないと言って、自分を誤魔化していることに気づきました。

退職して5年目くらいにボケが始まったと、父や母の介護をした人の回想録にはよく出てきますし、特に自分のように教師という硬い仕事をしていた人ほど、縛られるものがなくなると、タガが外れたようになってしまうという話もよく聞きます。

この5年目のジンクスにハマらないよう、もう一度毎日書く習慣を取り戻すように、生活のリズムを変えていかねばなりません。

色々な角度から弛んだ生活を直さないといけませんが、そこでふと本棚の隅に挟まっている折り畳みキーボードが目についたというわけです。

もう、息子の暇な時などと他律的なことを言っている場合ではありません。早速キーボードを開きましたが、案の定充電切れです。明日、この気持ちが萎えていないことを願いつつ充電コードを繋ぎました。

そして、今日ようやく取説を引っ張り出してみました。ところが、字が小さすぎて読めません。この眼鏡一つとっても物事を進めるのには大きなハードルとなってやる気を失いかねません。けれども、なんとかそこで躓かず先ずはメガネをかけて取説を広げることができました。その内に‥で終わらずにここまできた自分は偉いと、心の中で自分を褒めます。

次の難関は、書いてある言葉や記号が理解できないことです。2年前は使いこなしていた器具なので、文字を見ただけで脳が拒否反応を起こすようになっているのです。

グッと我慢して、「Fnというのは何の事だったかな‥そうだ、キーボードのどこかのキーだ。コネクトキーなんて、ボードのどこにもないぞ、どういうことだ‥ああ、ボードの外側にあるボタンだ。キーボード図を見ればすぐ分かるのに、頭の切り替えができないなあ。」などと、数分間苦闘してようやくこうやってブログを書くところまでこぎつけたのでした。

何でも簡単に忘れられる老人力に、磨きがかかってきています。それは仕方がないことですが、退職してから色々と自分なりに努力してできるようになってきたこともたくさんあります。それらは、ちょっとしたことでできていたことを忘れてしまうし、ルーティン化して向上してきたことも、パタリと止まってしまう可能性があります。

こうやって、ブログに自分が大切にしていることをきちんと記録して、あの頃自分はこんな事をしていたんだ、もう一度やってみようと、自分に元気をくれるブログにしていこうと思います。

取説は、まだ接続までの三分の一しか読みこなしていません。後の三分の一がわかれば、より便利に使いこなす技がみにつきそうです。残りも頑張って自分の力で読む時間をつくっていこうと思っています。

 

 

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