手抜き生活

食べない信念

「家のおじいさんは、近くの天満宮の氏子総代だから、昔から牛肉を食べないんだよ。」と昔知人が言っていました。ヒンドゥー教でもないのに、なぜ牛肉を食べないんだろうと思ったら、天満宮の神様である天神様は、天から牛に乗ってやってくるといわれていたからでした。「牛は神様の使いだからね。家ですき焼きやるときは、おじいさんだけ豚スキなんだよ。」と笑っていました。なるほど、その天満宮の境内には、どしっと横たわった牛の石像が祀られていました。

「私はこの仕事に就いて以来、生涯決してカキを食べないと誓いました。」とおっしゃっていたのは、ある学校給食センターの所長をしてみえた方です。この方の講演会を聴く機会があり、O157で、学校給食を食べたたくさんの関係者や子どもたちが食中毒の被害にあった事故を通して、食の安心安全を守ることがいかに大切かを訴えてみえました。カキによる食中毒は、O157ではなくノロウイルスによるものが多いのですが、発生頻度が高く、食に携わる職業を選んだ以上、自分がその被害にあったなどという報告をすることがあってはならない、という思いから誓いを立てたのだそうです。あんなにおいしいものを生涯食べないなんて、信じられないと思いました。

ところが実は、私は数日前に食べたカキが原因と思われる、ひどい下痢と嘔吐に襲われてしまいました。2日前から夫と息子にはそれらしき症状が現われていたのですが、私には何の症状もありませんでした。けれども3日目に突然激烈な症状が現れ、それから丸一日トイレの便器の横に横たわったまま動けなくなってしまいました。その後3日たちましたが、まだ胃腸が落ち着かず、おかゆとスポーツドリンクで過ごしています。

トイレで横たわっている時は、二度とカキは食べないぞと思いましたが、ちょっと元気になってきたら、あれが食べたいこれが食べたいと、あれこれ考えてしまう私は、食い意地が張ってるなあと情けない思いです。信仰によるものか、職業によるものかは違いますが、前述した二人の方の「食べない信念」に至る境地には到底なれないようです。

 

 

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