子どものいる風景

運動が苦手な子なんていない その2 ~困り感をクリアする3つの方法~

半年ぶりに公園へ孫と行くと、以前と比べてできることがほとんど進歩していないことに違和感を感じた、という前回のブログの続きです。

私が見たところ、公園のアスレチック遊具は彼にとってクリアできないほどレベルの高いものに思えません。

これは、以前うまくいかなかったイメージに本人が囚われて、どうしたらいいのか分からなくなっているのではないかなと感じました。

ちょうど、彼が立ち往生しているロープで編んであるつり橋の下からは、大人が潜り込んで手を添えてあげられる隙間があります。そこから、ロープに挟まっている靴をトントンとたたいて、「この足を、一度後ろに引いて。」と声を掛けました。

すると、スポンと靴が脱げました。「じゃあ、この靴をとって、もう一度はこう。」と私が言うと、両手でグリグリと回しながら靴を引っ張り出しました。靴が抜けた瞬間、後ろにしりもちをついてしまいましたが、お尻の下もロープの弾力があるので痛くはありません。

半年前は大人が手を添えないと履けなかった靴も、今は自分でかかとを引っ張りながら足をはめ込むことができます。

再び靴を履いた孫は、それでも前に進もうかやめようか迷っている様子です。ここで撤退させると「できないイメージ」が定着してしまいそうなので、是非ともクリアさせてやりたいと思い、次の指示を出します。

彼はまだ右左の概念が定着していないので、「こっちの手で、ここのロープを持って。」「そうしたら、こっちの足をここにのせて。」「そう、そして足の先っぽをロープの穴にぐっといれて。」という感じで、一挙手一投足ごとに対象の部位やポイントをトントンとたたいて、どう動かすかを具体的に指示していきました。4,5歩進むことができると、もう体の動かし方が理解できたようで、残りの半分は自分の力と判断で橋を渡りきることができました。

今回クリアできたポイントは三つあると思います。まず一つ目は、この子にはこの動きができる能力があるかどうかの保護者の見極めです。まだできる力がないのに無理にやらせると、恐怖感や苦手感が強くなるだけでしょう。またそれほどアスレチックがたくさんの子どもで込み合っていない状況なら、親もアスレチックに一緒に登って手取足取りで動かし、渡れたという達成感を味わわせる方法もあるかと思います。でも、今回は一人でクリアできる力は十分にありそうでした。

二つ目は、そのとき子どもが何に一番困っているのかを把握することです。振り返ってみると、この場では靴がロープに挟まれて抜けなくなった上に、その場の体勢では力を入れられない角度になってしまっていたことが困り感の最大要因だと思います。3歳の子どもでは、進む、押す、上がるなどの前進する運動は身についていますが、ハードルとなっている物に対して、さがる、よける、引く、仕切り直すなどの動きをすれば問題が解決するという思考回路が十分ではありません。「押してもダメなら引いてみろ。」とは大人でもよく言われますが、パニックに陥っている者には、そういう別角度からのアプローチの発想がなかなかできないので、客観的に見ている保護者が適切に指示を出す必要があるのです。

三つめは、先ほども書いたように、体のどの部位をどのように対象の場所に対応させるかを、具体的にその子の理解できる方法や言葉で伝えることです。

振り返ってみれば、たった5分間の出来事でした。けれども、この5分間で孫は驚くほどの進歩と自信を身に付けました。

滑り台から滑り降りてきた孫の顔は、5分前とは見違えるほど輝いていました。そして、何度も同じコースで遊んでさらに自信を付けると、アスレチックジャングルジムの中で、もっと難しそうなロープで編まれた網のトンネルの中をよじ登るチャレンジに向かいました。

ロープに対して、どんな角度で足を入れ、次にどんな動きをすればいいのか、彼はもう迷いません。大切なポイントさえマスターすれば、運動が苦手なんていう考えはあり得ないんだなと感じました。

 

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