実家の母は50数年前であっても、いかに育児に手をかけていたかが自慢でした。6月生まれの私には、成長とともに暑さが増していく時期だったので、あせもにならないように一日10回も手洗いでおむつの洗濯をしたと言っていました。離乳食は、毎食出汁を取って栄養のバランスを考えて手作りだったそうです。
苦労して育ててくれた母には「ご苦労様でした、おかげで元気に育ちました。」という感謝の気持ちでいっぱいなのですが、自分もそうしようという気にはなりません。
一方義母は生涯キャリアウーマンだった人なので、すごく合理的な育児の知恵を色々教えてもらいました。
一番役に立ったのはビオフェルミン活用(類似品でも同じだと思います)です。昔は衛生事情もあまりよくなかったので、何でも舐めたり口に入れてしまう赤ちゃんは、よくおなかをこわしたそうです。この家の常備薬としてビオフェルミンがあり、ちょっとおなかの調子が悪いなというときは、大人も子供もみんなこれです。ヨーグルトを食べる代わりに整腸剤として常用したり、即効性は弱いのですが便秘でも下痢でもどちらにも効きます。赤ちゃんには錠剤をすりつぶして離乳食に入れたり、おっぱいの乳首を湿らせてまぶしておいて吸わせたりと取り扱いやすいのです。(一時期粉末状のビオフェルミンを使いましたが、錠剤の方が経済的なのでこれ一本に絞りました。)
ちょっとした胃腸カゼをひく度に混雑する小児科のクリニックに通い、疲労こんぱいして診察してもらっても、いただくのはビオフェルミンとほとんど同じ薬です。とりあえずビオフェルミンを家庭で飲ませて2,3日様子をみると、ほとんど快方に向かうので、通院回数が大幅に減り子どもも自分も楽になりました。
もう一つ目からウロコだったのが、リンゴの離乳食です。私は始めはいちいちリンゴの皮をむいて、おろし器ですりおろしていました。でも義母は、丸ごとのリンゴの皮を自分の服でキュキュッと磨き、縁にギザギザのついたフルーツスプーンでグリッと穴を掘ります。最初の一口はお母さんが食べて、後は穴の中のリンゴをシャリシャリと削りながら赤ちゃんの口に入れてやればいいのです。赤ちゃんはちょっとしか食べないので、残りはラップして冷蔵庫に入れておいてもいいし、お母さんが食べちゃってもいいのです。それに、リンゴのすりおろしはおなかに優しいので、調子の悪いときにぴったりです。

子育てはなんでも丁寧でゆっくりがいいというのは、決して間違いではなくそうするべきだとは思いますが、無駄を省いて自分も子どもも気持ちにゆとりがあるのが一番です。