滋賀県の近江八幡宮の横の老舗和菓子店たねやは、クラブハリエも経営しています。ここのバウムクーヘンが話題となり、全国にバウムクーヘンブームを巻き起こしました。そのたねやが数年前、近江八幡宮から車で5分くらいの場所にラ コリーナという大規模な施設をつくりました。
ラ コリーナでも焼きたてバウムクーヘンが食べられるので大人気ですが、我が家のお目当てはバウムクーヘン売り場のメインの建物を抜けてその奥にあるカフェでいただく焼きたてホカホカの八幡カステラです。一般によく売られているはちみつ入りのしっとりカステラと全然違い、甘さ控えめで素朴な卵パンといった感じがたまらないのです。
施設全体は独特な表現で有名な建築家の藤森照信氏設計で、施設の中心は広い田んぼになっています。奥に見える山並みと伴って弥生時代の部落のようなのどかな世界観を感じさせます。カフェも木と珪藻土の組み合わせがナチュラルな味わいを醸し出し、窓の外の田んぼと植物が生えた屋根から滴り落ちる水を眺めながら至福のひと時を過ごします。
この八幡カステラはプレーンもありますが、季節ごとにフルーツのジャムがついたものや、たねや名物のあんこがついたものもあります。冬に来たときはりんご、春はブルーベリーでしたが、この夏は夏ミカンです。夏ミカンの苦みがほんのりきいてフレッシュな酸味がカステラをグレードアップしたスイーツに仕立ててくれます。
ところが家の家族は、このジャム付きのカステラを買っても、ジャムは別包装なのでジャムだけ残しています。私はラ コリーナのあんこもジャムも大好きなので、残ったものを取っておいて、ときどき特別なおやつとして袋からチューチューと吸って食べています。
ここまで書くと、どれだけ店に通っているのだろうと思われそうです。我が家からラ コリーナへの道のりは結構あるのですが、ラ コリーナだけのために出かけることもあれば、関西方面へ出かける時にわざわざ回って寄っていくこともあるので、年3回以上は行っていると思います。
いつも買えるわけではないのですが、たまに通販で購入できることもあります。でも、あの弥生時代にタイムスリップしたような空間でいただくのが一番おいしく感じられるので、つい行きたくなってしまうのです。