旅行

白鬚神社と鴨川四十八躰仏

琵琶湖の東岸高島市の湖沿いに白鬚神社があります。調べてみないとはっきり分かりませんが、琵琶湖沿いの神社仏閣は皆湖の方向を向いています。それも、琵琶湖北部に浮かぶ竹生島に向かっているような気がします。

白鬚神社は、湖岸道路沿いに鳥居があるのですが、更に数十メートル先の湖の中にも立てられていて立派な神社ですが、脇の道路の交通量が半端なく、常に自動車が通り過ぎる騒音に包まれています。なんだか落ち着がない感じがしてしまうのはもったいない気がします。

一方そこから数百メートル離れた所にある鴨川四十八躰仏は、ほんの少し湖岸道路から入った山の斜面にありますが、誰も訪れる人がなく、ひっそりと佇んでいます。

立ててあった看板を読むと、昭和の時代に石仏が二躰盗難にあっています。この場所に上がってくる時、何故か高さ2メートルくらいの鉄骨の枠が設置されていましたが、盗難に使うリフトを積んだ車が通れないようにするためだということが分かりました。

丸みを帯び苔むした大きな石仏が、びっしりと集められて並んでいる様は、前の石仏の後ろに背後霊がいるみたいでちょっと異様な感じです。境内に地蔵がたくさん並べられたお寺はよく見かけますが、座高1・5メートルくらいもある石の阿弥陀如来が並んでいるのは見たことがありません。

周囲を見回してみた感じでは、お墓はありますがお寺は見当たりません。1436年にはすでに存在していたらしいので、当時はお寺もあったのかもしれません。1436年を調べてみると、銀閣寺を作った室町幕府の8代将軍義政の生まれた年です。この31年後には応仁の乱が始まり、その後戦国時代へと突入していく時代です。木造仏などでは、室町時代のものは国の重要文化財になっていたりして、観光の目玉としてありがたがられることも多いのですが、ここの仏様は我々以外に訪れる人もなく苔むしたままたたずんでいます。

解説の看板を読んでも、誰が何のために作ってここに置いたのかは結局不明です。一躰ずつがかなり大きな像なので、人力で作ったり運んだりするのは相当大変だったはずです。なぜこんなにも大きな石仏を四十八躰も並べる必要があったのか、とても不思議に感じられ心惹かれます。

 

 

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