アート

森川美紀 展 (豊田画廊にて)

豊田画廊で展示されている「森川美紀・林繭子 二人展」を見に行ってきました。

森川さんの作品は、透明感のある薄い青や紫、ピンクなどがキャンバスの上部から流れ落ちるような画面の中に、家や舟のようなシルエットや文様のような図柄が白抜きになったりしています。

彼女は昔から世界中を旅してきて、その旅での風景がイメージの根底にあるそうです。彼女が特に好んで旅したのはネパールやタイなどアジア方面が多いのですが、作品にはエスニックな雰囲気は前面に押し出されません。画面を流れ落ちる透明な色のカーテンでろ過されて、純化されたイメージが表出されて、美しい異世界を漂っているようです。

実は森川さんとは昔からの友人で、自分が仕事をやめ時間が作れるようになってからは、作品展はできる限り覗くようにしています。作品にはいつも彼女らしい世界観が表現され、ぶれることなくそれを追求し続けてきた姿に感心します。

本人は、展覧会の出品締め切りが近づいてくると、作品ができなくて右往左往して寝巻のまま会場に飛び込んでしまうといった夢をいつも見るのだそうです。完成した作品を見るとそんな苦悩や迷いなど感じられない純度なのですが、そのレベルまで引き上げることが大変なのでしょう。

私と彼女は、昔同じアートの世界に生きることを志した同志でした。でも、自分は早い段階で違う世界に生きることを選び、描くことをやめました。でも、彼女は描くことを選び、表現し続けてきました。自分が選んだ道を後悔してはいませんが、森川さんが描き続けるという意志を貫き通す姿勢は、うらやましくもあり、尊敬しています。

今後も彼女の活躍を、自分の楽しみの一つにしていこうと思っています。

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