旅行

昆虫食 その2 ~北京・王府井~

インドネシアのバリ島に行ったとき、スーパーマーケットに虫のさなぎのようなもののスナックが売っていたので、興味本位にお土産に買ってみました。帰国して友達がたくさん集まった時に、みんなで味見しようと出してみましたが、気味悪がって誰も食べようとはしませんでした。私は2,3個かじってみましたが、油で揚げてあってカリカリになっているので食べやすいのですが、薄味でその上油にくさみがあって鼻につくのでおいしくありませんでした。現地の人たちは、身近なお菓子として食べているようですが、味覚の違いかなと思いました。

将来的に世界中で食糧危機が訪れた場合、危機を救う最も有効な手立てとして昆虫食が注目されています。私もそんな記事をいろいろなメディアで耳にするようになってきたので、機会があればチャレンジしています。

北京へ旅行に行った時は、王府井(ワンフージン)という中心街に屋台などB級グルメが立ち並ぶエリアに行き、サソリの唐揚げを食べてみました。しっぽのとげに毒が残っていないだろうかと心配でしたが、みんな平気そうに食べているので勇気を出してみました。

手羽の唐揚げのような味付けでカリカリしていて口の中がちょっと痛いですが結構イケます。多少苦みがあるかなと思いましたが、かなり濃い味付けなので、サソリ独特の風味などは分かりませんでした。唐揚げ系はみんな同じなのかもしれません。

店先には生きたまま串刺しにされたサソリが手足をバタバタさせて客の気を引き、怖いもの見たさのゲテモノ食いという分野で売り出しているようでした。どうせ食べてしまうのですが、ちょっと残酷だなと思いました。でもエビの踊りなどは、日本人には新鮮さがアピールされて喜ばれ私も好きだけれど、欧米人からは野蛮に思われるのと同じですね。

アジア諸国は昆虫を食べる風習がほとんどの国にあるようです。日本でも山間部にある道の駅では、よくイナゴの佃煮とか蜂の子の炊き込みご飯などが売っています。食べろと言われればある程度は頑張れますが、鉢の子の幼虫をプチっと噛みつぶした瞬間を考えると鳥肌が立ちます。好きな人たちにとっては、それこそがトロ~と甘みがあっておいしいのだということだそうですが…。

韓国でも大きなお寺に行った時、参道の店でゴキブリくらいの大きさの何かのさなぎの甘辛煮のようなものが売っていて「これは絶対プチッ、トロ~の類だ」と思って手を出せませんでした。

以前テレビで南米アマゾンの原住民が住む所に突撃系のタレントが訪れ、一緒に森の中へ食料を探しに行く番組を見ました。原住民の最も好きな食べ物は、木の幹から掘り出した何かの幼虫ですが、その大きさは大人の親指くらいあり、白くてムニュムニュしているのをそのままかぶりついて「うまい~」と言っているのです。すごい衝撃で未だにその様子を忘れられませんが、同じ様にそのタレントも泣きながら幼虫を食べていたのもすごかったです。

40年くらい前のバブル期は、フランス料理がブームとなりました。憧れのおしゃれなフランス人がエスカルゴというかたつむりを食べるというのが衝撃でしたが、チャレンジしてみるととても美味しいので、見る目が変わったという経験があります。かたつむりと言っても、貝の一種だと思えば大したことありません。まだまだプチトロ系の虫はチャレンジできそうにありませんが、いつか自分の価値観を大きく変えざるを得ない場面に出くわせば、私もさなぎや幼虫を食べるときが来るかもしれません。

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