人は光に対して神秘的なものの存在を感じます。祭壇や仏壇にはロウソクの光を灯すし、カトリック教会では天からのメッセージとして教会の中にステンドグラスを通して美しい光を取り入れます。
雨上がりの曇り空が割れて光の筋が現れるときがあります。そういうのを光芒というのだそうですが、そんな空の風景をみると、信仰心の厚い人間でなくても神々しさを感じます。刻々と変化する空の様子や光やそれに照らされた風景は、一瞬であるからこそ感動するのかもしれません。
ノルウェーの寒い夜空に現れるオーロラやサントリーニ島の白い教会を赤く染める夕日など、奇跡的に美しい風景や自然現象を見るために旅行する人も多いのですが、近所を散歩していてふとそんな風景に出くわすと、身近なところでもこんな奇跡に出会えるんだなあと嬉しくなるのです。
日本から地球の反対側に近いペルーのアパートメントにステイした時は、天窓があって寝転がってストレッチなどをしながら流れゆく雲を「この空は日本までずっと続いているんだなあ」と眺めていましたが、今は逆にこの空は地球の裏側のあの町につながっているんだなあと思いながら見上げています。