アート

ミホミュージアム

滋賀県にあるミホミュージアムでは、今、現代美術の展示が行われています。5つくらいの山の中に壮大な規模で作られた美術館で、いい展覧会を行うので、時々訪れます。

今回は珍しく現代の作家の展示でした。エントランスを入った正面の巨大なガラス窓の向こうには、山々が連なって美しい風景が広がっているのですが、何やら変わった形の建物が二つ、向こうの山の上に頭を出しています。相当大きな建造物だと思いますが、これがこの美術館の本体である宗教団体の集会場なのだそうです。

そこには、集会場、カリヨンと呼ばれる鐘を鳴らす塔、チャペルとその周辺の庭があるそうですが、関係者以外入れないようです。その建造物群と美術館の造成に携わった3人のアーティストに関する展示も行われていました。

その中の一人の日本人彫刻家の若林奮さんの作品が好きな夫は、今まで公開されていない作品をお目当てに来館したのでした。若林さんは、主に集会場の周辺外部の造園や空間造形を監修されたそうで、そのアイデアスケッチやモケットのような作品を見ることができました。

縦に長い大きな長方形の真っ白な画面に、たくさんの黒い線や点などが書き込まれた作品が会場内に林立するように展示されています。始め木のイメージかなと思いましたが、題名の一部に「たくさんの川の・・・」などという言葉があったので、川なのかもしれません。若林さんらしい抽象的で最小限の描画だけで表現されているけれど、なぜかエモーショナルで自然の風や水などを感じます。

平面作品以外にも、現地の庭のマケットのような森と白く広い道や断崖などを、木を彫ってつくられたものがありました。薄く塗り重ねられた色が材質の木と重なり合って完全は立体作品と言ってもいいような美しいものです。

美術館を後にしてから、美術館を訪れる時に通るステンレスのトンネルの写真しかとってないことに気づきました。トンネルの出口には半円形に切り取ったような枝垂桜が続く風景が映っていました。出入り口のトンネル内は、外の風景の色を映し出して変化するそうですが、この日は雨で美術館を訪れる人のグリーンの傘と木々の緑とで緑色のトンネルになっていました。あと10日ほどで、見事な枝垂桜の並木が出来上がると、ピンク色のトンネルになるそうです。

 

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