今年はヨーロッパの方ではクリスマスマーケットは中止だそうです。日本の太平洋側に住んでいる自分にとってクリスマスやお正月の朝は、雲一つない乾いた青空のイメージなのですが。ヨーロッパではほとんど晴れ間がない鬱々とした日々が続くので、数少ない楽しみの一つなのだそうで、それがなくなるのはとても気の毒です。
ハロウィンやイースターなどのイベントは結構メディアや若い人たちの間で盛り上がっているようですが、自分が子どもの頃の思い出は全くありません。バレンタインデーでさえ中学校くらいから気にするようになったと思いますが、クリスマスは自分が幼少の頃からワクワクした思い出がたくさんあります。
当時自分の両親は戦前に生まれたので、クリスマスプレゼントはサンタさんが持ってきてくれるというしゃれた演出は全く考えていませんでした。12月の週末になると地元より少し都会の町へ出かけ、おもちゃ屋さんに行ってプレゼントを選び、あさくまというステーキハウスでステーキを食べるというのが最高のイベントでした。おもちゃ屋さんのウィンドウにはクリスマスイルミネーションや色とりどりのおもちゃが並び、体全体が震え上がるほど興奮した覚えがあります。
成長するにつれていろいろなクリスマスを楽しむようになりましたが、子どもの頃の思い出ほど鮮明に感じられることはありません。でも、昔は12月に入らないとクリスマス飾りなどは見かけなかったのに、近年はハロウィンが終わったとたんに11月から街でクリスマス的な演出を目にするようになったので、クリスマス気分を長く楽しめるようになったような気がします。先日家で育てている丸っこい形の多肉植物が、秋になり急に縦長に伸びてきたなあと思っていたら、白く小さい花をつけました。それがクリスマスツリーみたいだなと思ったとたんに自分の心に灯がともったように感じました。清楚なホワイトクリスマスのイメージです。宗教にこだわらず何でもイベント化して楽しむことのできる日本人の特権を楽しんでいきたいと思います。