アート

「ゾフィー・トイバー・アルプとジャン・アルプ展」アーティゾン・ミュージアム

ゾフィー・トイバー・アルプ〈Sophie Taeuber・Arp〉はテキスタイルデザイナーとしてキャリアを開始し、幾何学形態による構成作品を様々な分野で展開した作家です。

1915年にジャン・アルプ(Jean Arp)と出会い7年後に結婚。

ジャン・アルプはシュールレアリズムを経て抽象形態によるコラージュやレリーフを制作し、次第に抽象形態の立体作品を作るようになっていきました。近現代抽象芸術の作家として大変評価の高い有名なアーティストです。

二人は第一次世界大戦後から第二次大戦までの間に、それぞれの分野や共同制作なども通して大いに活躍しました。

この展覧会を見るまでは、自分はゾフィー・トイバー・アルプの名を知りませんでした。けれども、展示作品や会場に展示された二人の活動年表を見ると、ともに優れた作品をうみだしています。

「鹿の王」の人形劇のために制作した人形たちは、当時としては極めて斬新な幾何学形態を組み合わせた姿で、彼女の作品に対する洗練された感性が生かされていると思います。

近代・現代美術史においてさえも、優れた女性作家でも第一線の作家として認められにくい時期がずいぶん長く続きました。現在でもその傾向はかなり強いと思います。

近年そういった偏った美術史を是正し優れた女性作家を再発掘していこうという試みが、いろいろな展覧会で取り組まれるようになってきました。今回もその流れだと思います。

この家は、二人がパリ郊外クラマールに建てた住居を兼ねたアトリエです。

モダンかつシンプルでありながら周囲の古典的な住居との調和がとれていて、うらやましい限りの理想的な空間です。

ゾフィー・トイバー・アルプは第二次大戦中に不慮の事故で亡くなります。

その後、ジャン・アルプは彼女の作品をもとにオマージュ的な作品を作ったり、彼女の作品集をまとめるなど、いかに深く愛し、その実力を評価していたかがよくわかります。

ジャン・アルプは初期は石膏の塊を削り出し、磨いて立体作品を作りましたが、彼の評価が高まるにつれ、その石膏立体から型を取って金属の立体を作るようになりました。

彼の金属製の作品を見ると、これぞジャン・アルプという感じで、光沢をもつ完成された美しい形に見とれてしまいます。けれども、柔らかい石膏を削った作品も、彼の試行錯誤や偶然の中から形を生み出していく工程が想像されて、人間性を感じます。

 

 

 

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